2013.5. 橘義明ツアーレポート(?)
< 2013.10.14 UP >


行けば愉快だ宇都宮


 行っちゃったよ……
 というわけで今回のレポートは栃木県宇都宮市からお送りします。
 つきあい(一方的な)も長くなった今日このごろ。
 あの仰木さんに次ぐ奇跡の子(?)橘義明をはぐくんだ土壌を一度見ておかねばならない!
 空気感をとりこんでこなければならない! これで橘義明の聖地を三次元で実感できる!!
 使命に燃えてあまねさん、とよかわさんの3人で東京からゴゥ。
 池袋から1480円、宇都宮まで約二時間です。


 そして宇都宮は予想外におもしろかったのだ……


宇都宮駅(JR)


 とりあえず何をしたらいいかわからないので、地図を見てみる。
 ほとんどバー目的だが夜まではまだまだある。JRから東武線に続く西口が栄えてるようだ。
 餃子の像は、その西口の横断歩道橋の下。
 餃子像というよりビーナス。餃子の皮に包まれたビーナス。まあそれはいい。問題は


横にカエル


 ここは……ナワテか……?
 並んでいるせいで、カエルに餃子です巻きにされた囚われのビーナスみたいに見える。
 もしくは変な敵2人組。主人公らにわりとあっけなく倒される部類の。
 赤ん坊をとりあげる産婆、もしくはたかいたかいをしているような像の真下にはヴィーナスとしゃこがいが一体化しちゃったような餃子像があり、隣になぜかカエル。
 なんだか出発口からおかしい宇都宮っぷり。
 宇都宮もカエル信仰があるらしい。ちょっと好きになる。
 いったいなんだろうとよく裏など見ると「大谷石」とある。はい、ここ大事ー。大事ですよー。あとで出ます。記憶に隅っこにとどめておくように。
 他にも街を歩いていると、宇都宮には石像が多い。無言で浮かぶこの一文。

 怜悧な横顔は月の光を浴びる石像のようだった。(29巻)

 そんな男への期待がますます高まる。



カエル。


 だいたいカエルというところからして松本のカエル(縄手の)を思い出すではないか……と思っていたら、特産品コーナーには手まりまで。思わぬ共通点にオラ、ワクワクすっぞ!
 さてどこへ行こうかとあらためて宇都宮マップを広げる。
「ちょっと松本に似てるんですよね……」
 と言われて見ると、うーむ、ほんとになんとなく親近感がある。
「松本も片方だけ栄えてますもんね」
 なるほど、駅からの配置図がやたら松本に似てることに気づく。
 メインストリートがあり、そこに並ぶようになんとか通りがあり、テレビ塔があり、その横にパルコ、四柱神社ぐらいの距離に二荒山神、曲がって城。その時点でちょっと好きになる。
 機会があったら見てほしい。グーグルマップとかではなく散策用の簡易地図のほうがおすすめである。松本に何度か行ったことのある人なら結構うれしくなることうけおいだ。
 もちろん松本との違いはある。
 なんてったって橘さんのほうは、駅前に堂々と


 
ろまんちっく村


 フー! 止まらない。止まらないよ、義明さん。
 さっそく松本との共通点を見出し、とよかわさんもさらに「(宇都宮の)都に宮ってすごい名前ですよね…」としみじみ新しい魅力を見つけつつある。うん……そのいっぽうでア行タ行ナ行マ行ヤ行全部バラバラだし……。バランスいいな、とすでに若干頭が宇都宮全肯定モードになりつつある駅前。
 とりあえず東武線宇都宮駅までがメインストリートであり、その途中に二荒山神社もあるようなので歩くことにする。ではしゅっぱーつ!
 駅を出たとたんに餃子の派手な看板が目につく。
 「バーとカクテルとジャズの宇都宮」という前情報をしいれてやってきた我々は、あ、そうだったな…と一瞬交錯。



橘家。

 歩き出して5分もしないうちに洗礼を受ける。

 お、お邪魔します……。






  
 二荒山神社。(こいのぼりが絡まっていました↑)


 駅から10分。大通りに面しているのに大きな神社は、街をあたりまえに見守っている感じがします。
 のちに宇都宮のあちこちで感じるスマート感……古くも新しくもない、言葉からイメージされる「田舎」や「都会」でもない、なのに不思議と凡庸になるのではなく独特のスマートな感じ、あまり他のミラスポットでは感じることのできない宇都宮感を象徴するといってもいい神社の在り方。
 義明さんはこんな街で育ったんだなー。
 宇都宮の中心は、神社を中心に栄えた模様。鯉のぼり(この日は子どもの日)。大通りのエキシビジョン。現代にシンクロした表参道。車通りにぽっと大きな鳥居。この感じ、浅草門みたいだな。
 神社の近くのパルコにまたしばし松本に思いをはせる。



 
宇都宮餃子。


 とりあえずおなかがすいた。GWの昼どきもあり、餃子の有名店は並んでいるようだ。
 並びたくないのでふむふむ見ながら、ドンキに入る。ここにもあるはず…あ、あった。

 おおきい餃子……。
 
 なにをもって宇都宮餃子というか? 答えは「別に……」
 原材料や作り方、かたち、特に指定なし。な・い・ん・か・い!!
 しいていえば肉が少なめ、白菜多め、あと大きい、そして単価が安い。
 つまり好きだからいっぱい食べる。そして餃子だけひたすら食べ続けられるようになっている。
 いいねぇ。というわけで始めての人には「来らっせ」をおすすめします。あ、今回バンバン店名を出していきます。
 来らっせは宇都宮餃子会がやっているので、34店舗の味が一度に楽しめます。JR宇都宮駅の中と、私たちが行った大通りのドンキ近くにあります。
 私たちが入った来らっせには二店舗あり、適当に入ったほうは、曜日によっていくつかの違う店のが食べられる。
 各店一個ずつ6種類で350円というのもあり、日曜は他の曜日より少し多いのか、それが四種類。どう見ても全店違う。24種類か…と、三人でわける。
 写真をご覧ください。

 これ全部違う店。

 ただこの餃子、なんの感想を言っても、同じのは二個ないため誰も共感できない。どんなに美味しくても二個同じものはもう食べられない。一期一会を唱えながら食す。ぜんぶうまい。ちゃんと美味しい。
 今まで10回換生したあなたを一度も見間違えたりしなかったという台詞を思い出しますね。なぜか。
 が、心配は無用! なぜなら全部美味しいから! 作り方にこだわりがないので、もう単純に全然違う味の餃子をひたすら満足するまで食べ続けられる!

 普通、外れとかまぁ味がないとかスーパーのほうがよっぽどうまいとかありそうなのに、ちゃんと、みんなうまい。
 食べ飽きなくていいねぇ、とふごふご。餃子浪漫で口をさっぱりさせる。女性好みっぽいやや甘めの地ビール。プラセボかもしれませんが、これまたギョウザにあいますね……どんだけ浪漫好きなん……橘さん。(←酔っ払い)


 
 街並みはこんな感じ。


 こんな写真でどこまで伝わるか難しいところだが、私はとっても気にいった。
 なによりここを橘さん兄弟がふつうに歩いてんだなぁと思うと、よし君の評価が皐月の気温のようにじわじわぐんぐんあがってしまうような街並みである。
 大都会でもド田舎でもない、トカイナカ。
 都会なんだけどちょっとだけ田舎。
 そんな風景の中で和みながら、都会の活気や刺激も身近に感じられるんだから贅沢な環境。
 よし君、いいところ住んでんだなー!(なんどでもいう)


 


 宇都宮のお土産どころ……? な宮カフェで休憩&宇都宮の情報収集。とちおとめを食べながら。
 「宇都宮 愉快な暮らし図鑑」という薄い小冊子がなかなかおもしろいのでいくつか紹介しましょう。

 ていうかさっきから
「愉快だ」ってなに……?

 と思われた方もいるでしょう。
 愉快図鑑(略)を見ると、

「2009年に始まった『宇都宮プライド』プロジェクト」

 宇都宮+プライド……?

 どこぞの28歳長身黒スーツ坊さんそのものを思い出します。
 続けます。
「宇都宮『らしさ』を表現する『住めば愉快だ宇都宮』のブランドメッセージが誕生しました。このメッセージのもと、宇都宮市は一段と楽しく愉快なまちへと進化し続けています」
 義明さん……あなたの生まれ育った街は、愉快の旗のものに進化していくらしいっすよ……。そう、例えば

「そこは、ちょっとシャイだけど、オモシロイ人であふれた街。」

「ビミョーなところが、ゼツミョーに心地よい街。」

「宇都宮人は一言でいえば、素朴でシャイ。でも東北人の科目で内に秘めた感じとは、また違うんだなぁ。よくしゃべるし明るいんだけど、実は恥ずかがりで気を遣うタイプ。見た目で判断しちゃいけないよ(笑)。」

「ハム消費量1位! ヨーグルト消費量1位! 海はなくとも鮪の消費量3位! せゴルフ用品購入1位! 語学月謝1位! 文化施設利用料1位! 洋食代1位!」


 ……なんだこれ、ちょっとおもしろいぞ。

 すーめばゆかいーだーうつのーみーやー♪

 街頭テレビではよくこのメロディが流れています。
 さあごいっしょにこちら(宇都宮愉快動画館)やこちら(愉快CMコンテスト)で。
 全部見終わる頃にはあなたも最後に歌ってしまうはず! 義明さん……ほんと愉快なところに……。





 さて、どこに行きましょうかね〜と駅まで川沿いをぷらぷら歩く。
 「d design travel」の栃木を買って見てみると、なんだか不思議な光景が……大谷資料館?
 場所は宇都宮市大谷町。駅からバスで25分400円。一時間に一本ぐらい出てるようです。
 とんと聞いたことがないのですが、写真がとても綺麗だったのでここに行ってみましょう。


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2013.10.14 青舟